2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機/無機複合反応によるバテライト形炭酸カルシウムの調製とその応用
Project/Area Number |
07J04942
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 陽太 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | セルロース / ナノファイバ / ナノファイバゲル / フィルム / 炭酸カルシウム / バテライト / バイオミネラル |
Research Abstract |
バテライト形炭酸カルシウムは未知の部分が多く、材料としての利用を視野に入れた場合、その基礎的研究が重要となる。本研究ではバテライト形炭酸カルシウムの生成メカニズムや安定性、物性について検討を行うと共に複合体材料、無機顔料としての利用について検討を行っている。昨年度はセルロースナノファイバーゲル中での炭酸カルシウムの結晶成長についての検討、超音波処理法により調製したバテライト形炭酸カルシウムの水中での安定性、及び添加剤存在下での安定性について検討。セルロースナノファイバーフィルムとの複合体化について検討を行った。 セルロースナノファイバーゲル中で結晶成長させた場合、他の高分子ゲル中では見られない200μm程度の結晶が得られた。これは雪の結晶状であり、今までにない形状を有している。現在詳細な検討を進めている。 超音波法により調製された球状のバテライト形炭酸カルシウムの安定性についてはpHが高い方が安定であること、温度は高いほどカルサイト形への転移が進むことが明らかになった。また、安定化に効果があった添加剤はマグネシウムイオンやSDBS(Sodium Dodecyl Benzene Sulfonate)であった。逆にナトリウムイオンやSDS(Sodium Dodecyl Sulfonate)ではカルサイト形への転移促進効果が見られた。 複合化材料としては未乾燥のナノファイバフィルムに塩化カルシウム水溶液と炭酸カリウム水溶液を交互に通過させることによりブランクフィルムのナノファイバ径よりも太くなることが確認されています。
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