2007 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂特異的mRNAの栄養増殖期における選択的除去の分子メカニズム
Project/Area Number |
07J04946
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 総一郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | RNA / 分解 / 分裂酵母 / 減数分裂 / exosome / poly(A) |
Research Abstract |
平成19年度の研究により、分裂酵母においてMmi1のターゲットとなるRNAを細胞から排除することに、そのターゲットの3'端のポリA鎖が重要であることを示してきた。今年度においては、そのポリA鎖がRNAの排除にどのように必要なのかについて、さらに研究を進めてきた。その中で、Pab2という特異的なポリA結合タンパク質が分解に必須なポリAのシグナルを伝達するということがわかってきた。つまり、Mmi1によって認識されるRNAの一次配列の存在とPab2がその転写産物の近傍にあることという2つの事象が揃うことで、エキソソームというRNA分解複合体による分解を活性化することが示唆されている。このことはMmi1がポリAによる転写産物の安定化という働きを、分解の起点としての働きへと変換することを示しているだろう。この発見の重要性として以下のことが挙げられる。 ここでもう一度、Mmi1の機能は分裂酵母の減数分裂の前期から第一分裂の開始まで抑えられることに目を向けてみたい。この時期においてMmi1の標的となるRNAは発現し減数分裂の進行に必須の役割を果たすことになる。つまり、Mmi1がRNAの排除という機能を発揮する際に、ポリA鎖やPab2といった発現を促進する機能を担う既存の因子を用することで、Mmi1の機能が抑制される時期において、標的のRNAが細胞内で効率よく発現することを可能にしているのだろう。
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Research Products
(3 results)