2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダークエネルギーと超対称性理論における質量の変化するニュートリノの研究
Project/Area Number |
07J04982
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 亮 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ニュートリノ / ダークエネルギー / フレーバー対称性 |
Research Abstract |
ダークエネルギーの候補として提案されているMass Varying Neutrino(MaVaNs)シナリオを超対称性理論の枠組みで考察した。特に、ニュートリノのフレーバー模型についての考察を重点的に行った。現在、レプトンの世代混合は、Tri-Bimaximal世代混合と呼ばれる混合行列によって非常に精度良く説明されている。このTri-Bimaximal世代混合を導くフレーバー模型の提案を行った。MaVaNsシナリオのようなニュートリノが重要な役割を果たす宇宙論的模型においては、ニュートリノのフレーバー構造が重要な役割を果たす場合がある。特に、ニュートリノのフレーバー構造の不定性は、宇宙論的模型に対してもその予言の不定性へと繋がる。従って、現在の地上実験によって示唆されるニュートリノ実験データを説明する模型の提案は、その宇宙論的応用をする場合において重要となる。提案された模型は、第一にカスケード行列と呼ばれる行列がニュートリノのディラック質量となる模型である。この場合シーソー機構の枠組みにおいて非常に精度良くTri-Bimaximal混合を導く事を示した。更に、世代混合角とニュートリノ質量二乗差の間に非自明な関係が成り立つ事を模型の予言として提案した。これは、今後の実験によってその可能性が確認される事が期待される。また、超対称性理論において、レプトジェネシスが起こりうる事を示した。従って、このカスケード行列に基づくニュートリノのフレーバー模型は、宇宙論的考察をする場合においても十分に有用な模型である事が示された。また、Friedberg-Lee対称性と呼ばれる対称性に基づく、Tri-Bimaximal世代混合を導ぐフレーバー模型の提案を行った。
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Research Products
(4 results)