2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダークエネルギーと超対称性理論に誇ける質量の変化するニュートリノの研究
Project/Area Number |
07J04982
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 亮 Niigata University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ダークエネルギー / ニュートリノ / 離散対称性 |
Research Abstract |
タークエネルギーの候補として提案されているMass Varying Neutrinos(MaVaNs)シナリオを超対称性理論の枠組みで考察し、現在の宇宙観測、ニュートリノ実験データと矛盾しない模型の提案を行った。特に、その模型におけるスカラーポテンシャルの真空構造の詳細な解析を与えた。解析の結果、模型におけるダークエネルギーは偽の真空エネルギーと解釈されることを明らかにした。エネルギー密度の大きさは、TeVスケールで破れた重力相互作用によって伝達される超対称性の破れの影響のスケール(F_x(TeV^2)/M_<PI>〓10^<-3>eV)となり、これはまさに現在の宇宙観測によって示唆されるダークエネルギーのスケールである。この模型が実現可能であった場合の、アクティブニュートリノとステライルニュートリノ間の混合角の典型的な大きさは、sin^2θ〓10^<-4>程度となる。 また、D4と呼ばれる離散対称性をフレーバー対称性として導入した模型を提案した。離散対称性D4はその起源を超弦理論に求めることができる。これまでにも、D4対称性を用いた模型はGrimusとLavouraによって提案されている。今回、提案された模型とGrimusらによって提案された模型との違いは、超対称性理論に拡張した場合に明らかである。素粒子標準模型を超対称性理論の枠組みで考えた場合、ゲージ結合定数の統一が実現されるが、Grimusらの模型では、その統一を実現することが困難となる。今回の模型は、その点が実現されている。MaVaNsシナリオへの応用として、3世代のアクティブニュートリノに対するフレーバー対称性としてD4対称性をもつ今回提案された模型での実現が期待される。
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Research Products
(2 results)