2009 Fiscal Year Annual Research Report
ONIOM法と超球面探索法を組み合わせた化学反応経路自動探索法の開発と応用
Project/Area Number |
07J04984
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Research Institution | Toyota Physical & Chemical Research Institute |
Principal Investigator |
前田 理 Toyota Physical & Chemical Research Institute, 特別研究員(PD)
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Keywords | ポテンシャルエネルギー表面 / GRRM法 / ONIOM法 / Microiteration法 / 遷移状態 / 反応経路 |
Research Abstract |
分子やクラスターの安定平衡構造(EQ)は、ポテンシャルエネルギー表面(PES)上のエネルギー極小点に相当する。また、化学反応の遷移状態(TS)はPES上の一次鞍点で近似することができ、EQ同士はTSを経由する反応経路で結ばれている。反応や構造といった化学の様々な問題は、PES上でEQとTSを系統的に求めることによって理論解析できる。申請者らは、非調和下方歪みを追跡することによって、反応経路の系統的な自動探索が可能であることを発見した。この原理に基づき、PES上の反応経路ネットワークを直接辿って次々とEQとTSを明らかにすることのできるGlobal Reaction Route Mapping(GRRM)法を考案し、それを搭載した化学反応経路自動探索プログラムを開発した。 本年度は、諸熊らがONIOM法による構造最適化計算のために開発してきたMicroiteration法と、申請者らのGRRM法を組み合わせることで、巨大分子の反応中心に関する反応経路を選択的に自動探索することを可能にした。酵素などの巨大分子では、たとえ全体が数万の原子集団から構成されていたとしても、化学結合の組み替え自体は数原子もしくは十原子程度からなる反応中心の中で起こる。Microiteration法では、反応中心とそれ以外の座標を分割し、反応中心以外の座標は、全体のエネルギーができるだけ低くなるように反応中心の動きに追随させる。それにも関らず、この方法で得られるEQおよびTSは、全ての座標を扱った場合のものと完全に一致する。本研究では、このMicroiteration法とGRRM法とを組み合わせて、化学結合の組み替えに関与する反応中心の座標変化に対応する反応経路のみを選択的に自動探索することを可能にした。これにより、巨大な系において、重要な反応中心の周囲の反応経路のみを高速探索することが可能となった。
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Research Products
(8 results)