2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化行政に関する都市社会学的研究-地方都市における芸術と住民の乖離の構造-
Project/Area Number |
07J04997
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹島 秀晃 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 都市 / 空間 / 文化行政 / 美術館・博物館 / 場所 / アートマネジメント / アンリ・ルフェーブル / マニュエル・カステル |
Research Abstract |
文化行政と都市の関係性を考察するにあたって理論面、実証面の二側面から研究を行った。 【理論研究】マニュエル・カステル、デヴィッド・ハーヴェイ、アンリ・ルフェーブルを中心とした、都市空間論、場所論の関連文献を研究した。本年度は、上述の文献研究を進める中で、都市空間論における「空間」概念それ自体の整理と精緻化を目指した。具体的には、以下の3つの論点を対象とした。(1)デヴィッド・ハーヴェイの文献を対象とし、ハーヴェイの提示する空間概念を分類したマトリクスの含意を整理し、簡易に説明することを試みた。(2)ルフェーブルの「空間」概念を、彼の主な理論的影響源であるカール・マルクスの思想(特に、「生産」概念)との関連で捉えることにより、「空間」理解の深化を目指した。(3)カステルの近年のグローバル社会論を分析し、カステルの実証主義的な都市空間論の展開を分析し、(1)、(2)で検討した都市空間論の洞察と実証的なアプローチとの整合の可能性を考察した。 【実証研究】せんだいメディアテークの学芸員、仙台に拠点をおくアートNPO「re:bridge」の代表、に対する数回のヒアリングを行った。現在の活動状況、仙台の文化行政をめぐる情勢など基礎的な点を聞き取った。この調査で、インフォーマントとのラポールの構築を目指すとともに、芸術活動を担う当事者をめぐる、概括的な状況を理解することにつながった。
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Research Products
(3 results)