2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J04999
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船野 敬 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員 (DC2)
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Keywords | 写像の集中現象 / 測度距離空間 |
Research Abstract |
測度距離空間から一般の距離空間への1-Lipschit写像の集中現象とL^p集中現象についての研究,特にCAT(0)空間をtarget空間とした場合についての研究を行った. まずHadamard多様体をtarget空間にした場合についての1-Lipschitz写像の集中現象は,Euclid空間への1-Lipschitz写像の集中現象と同値になることを示した。この結果は昨年度に得られていた断面曲率を負の数で上下から押さえた負曲率Riemann多様体がtarget空間の場合の結果の拡張になっている.また同様にHadamard空間への1-Lipschitz写像のL^p集中現象は,Euclid空間への1-Lipschitz写像のL^p集中現象と同値になることを示した.これらの結果について論文にまとめ論文誌に投稿し,確率論と幾何学及び日本数学会幾何学分科会において発表した. 次にR-treeへの1-Lipschitz写像の集中現象について考察した.まず,R-treeへの写像の集中現象は,通常の1-Lipschitz関数の集中現象と同値になる事を2通りの方法で示した.これは,M. Gromov氏が彼の本の中で,Exerciseとして提出していた問題である.これは,昨年度に組み合わせ的treeへの1-Lipschitz写像の集中現象について得られていた結果の拡張になっている.また同様に,R-treeの上の測度の重心について考察することにより,R-treeへの1-Lipschitz写像のL^p集中現象は,1-Lipschitz関数のL^p集中現象と同値になることを示した.これらの結果について論文にまとめ論文誌に投稿し,Riemann幾何学と幾何解析において発表した. 更にCAT(0)空間への写像のL^p集中現象の応用について考察した.測度距離空間からCAT(0)空間への写像に対して,その積分なるものをCAT(0)空間の重心を用いて定義することができる.このとき,直積測度距離空間からCAT(0)空問への写像がL^p集中現象を起こしているとすると,ほとんどFubiniの定理が成立することを示した.この結果について論文にまとめ論文誌に投稿した. Gromovのbox距離について昨年度研究していた内容について論文にまとめ、投稿し,論文誌への採録が決定した.また昨年度提出していたdoubling空間への写像の集中現象に関ける論文も論文誌への採録が決定した.
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Research Products
(8 results)