2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスによる植物の高次形態形成制御の解析
Project/Area Number |
07J05010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老根 一生 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 植物形態形成 |
Research Abstract |
これまでの研究結果から,液胞膜およびエンドソームに局在するQ-SNAREであるVAM3について,エンドソームに局在するR-SNAREであるVAMP727とSNARE複合体を形成し,胚発生における液胞への輸送という,種子植物にとって重要な輸送経路の制御を行っていることを明らかにしている.これに加え,遺伝学的,および生化学的解析から,液胞膜に局在するR-SNAREであるVAMP71もVAM3とSNARE複合体を形成すること,種子においてVAMP71が貯蔵型液胞膜の形成を制御することを明らかにした.VAMP727とVAMP71は細胞内において異なる局在パターンを示すことから,この2つは異なる場所においてVAM3とSNARE複合体形成していると考えられる.これは,液胞膜の膜融合に2つの異なる経路があることを意味している.現在,これらのSNARE複合体による膜融合制御について,その上流で機能する分子の詳細,およびそれぞれのSNARE複合体による膜融合が様々な液胞機能の発現にどのように寄与しているのかを明らかにするべく,特にSNARE複合体の上流で膜融合を制御するRABに注目して研究を行っている.一方で,植物固有のRAB5であるARA6は,主にエンドソームに局在することから,エンドサイトーシスに重要な機能を担っていることが考えられる.ARA6についての変異体を用いた解析から,これが保存型のRAB5と拮抗的な機能をもつことを明らかにしている.このARA6による細胞内輸送制御の機能に関して,下流で機能するSNARE複合体に注目して解析を行った結果,ARA6がVAMP727を介してエンドソームから細胞膜への輸送を制御していることが明らかになった.
|
Research Products
(5 results)