2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗山 博道 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 強相関電子 / 電子多自由度 / 高効率熱雷変換材料 / Pulsed laser deposition / 結晶格子の否み / バッファー層 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Pulsed laser deposition(PLD)法を用いて、強相関電子系遷移金属酸化物において顕在化する、電荷・スピン・軌道といった電子多自由度を自在に制御し、高効率熱電変換材料といった機能性材料を開発することにある。電子多自由度は結晶構造や遷移金属元素の種類、形式酸化数に大きく依存している。これらすべてのパラメータを制御し、目的とする機能を有する物質の創出はそう簡単ではなく、極端な条件下での反応経路を構築する必要がある。そこで平成19年度において以下の実験を行った。 1.PLDを用いた新物質合成手法の構築 我々は、熱的に非平衡な製膜過程であるPLD法によるエピタキシャル薄膜成長が、新たな化学反応の場として有望であることを見出した。実際、これまでにバルクでは合成例の無いIr^<3+>を含むスピネル酸化物の合成に成功している。これは典型的な熱電酸化物であるNa_xCoO2のCo^<3+>と同じ電子配置を持っており高い熱電特性が期待できる。今後ホールの注入や結晶格子の歪みの制御によって熱電特性のチューニングが課題となる。 2.結晶格子の歪み制御 市販されている基板のみでは取りうる格子定数が非常に限られている。歪みを制御すために格子定数を自在に選択できるバッファー層の開発を行った。結果、おおよそ1Aにもわたる範囲で格子定数を制御出来るようになり伸縮双方の歪みを印加することが可能となった。
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Research Products
(1 results)