2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的リン除去プロセス中の主要リン除去細菌の分離とプロセス最適化に関する検討
Project/Area Number |
07J05025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福島 寿和 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 生物学的リン除去プロセス |
Research Abstract |
研究課題は、排水処理法のひとつである生物学的リン除去プロセス中の主要リン除去細菌の(1)分離および(2)プロセス最適化に関する検討である。「課題(1)分離」および、「課題(2)プロセス最適化」を検討するにあたり、まず主要リン除去細菌であるCandidatus'Accumulibacter phosphatis'(以下'Accumulibacter')を定量する手法を定量PCR法により開発した。従来の手法に比べて迅速かつ簡便に'Accumulibacter'を定量することが可能になった。 「課題(1)分離」では、様々な条件で'Accumulibacter'が存在する活性汚泥を培養した。培養前後の'Accumulibacter'の存在量を定量PCR法で把握することによって、増殖に適する条件を探索した。この結果、古典的な振邊培養法で増殖する条件(炭素源の種類、温度、pH条件)を見つけ出すことができた。現在は、得られた条件を用いて分離を試みている。「課題(2)プロセス最適」では、既存の文献を整理し、pHのわずかな低下がリン除去に悪影響を及ぼすことがわかった。シミュレーションをせずともに、検討すべき条件が決定できたため、つづいて、pH低下と'Accumulibacter'の挙動との関連を調べることとした。ここでは、pHを途中で低下させた実験室規模リアクターを運転し、'Accumulibacter'の挙動を定量PCR法を用いて時間的に密に把握した。さらに、処理性能も把握し、'Accumulibacter'の挙動との関連を調べた。この結果、pHを低下させたことで、'Accumulibacter'がリン除去の悪化に一週間ほど先立って減少することがわかった。これは、同様の条件で運転した複数のリァクターで再現よくみられた。このように、リン除去悪化時における主要リン除去細菌の応答の一部が明らかになった。
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Research Products
(3 results)