2008 Fiscal Year Annual Research Report
胚発生に必須な細胞極性の確立に関わる細胞内輸送機構の解明
Project/Area Number |
07J05064
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 誠 National Institute for Basic Biology, 形態形成研究部門, 助教
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Keywords | 原腸形成 / 神経管閉鎖 / 細胞内輸送 / 微小管 / ツメガエル |
Research Abstract |
大規模な形態形成運動における細胞の振る舞いと、細胞内輸送機構とそれを調節する微小管ネットワークが果たす役割を理解するため、複数のcDNAライブラリーに対してスクリーニングを実施した。アミノ酸配列、ドメイン構造などを基に分類を行うと共に細胞内局在の観察と強制発現系を併せた機能スクリーニングを行い、細胞内輸送、微小管ネットワーク、極性形成への関与が予想される分子を複数同定した。また、既に単離したOpitz syndromeの原因遺伝子のホモログであるxMIDに関しては機能解析を進め、遺伝子発現パターン、微小管結合能、機能阻害による神経管閉鎖不全の誘導といった知見に加え、xMIDが神経上皮細胞における微小管のダイナミクスと細胞形態の変化に関与している可能性を見出した。加えてxMIDのドメイン解析から、N末端側のRINGドメインを欠いた変異型xMIDが微小管ダイナミクスに影響を与えることが明らかになり、xMIDの正常な機能発現にはRINGドメインが必須であることが示唆された。更に、アフリカツメガエルのCentrin2ホモログ(xCETN2)を同定し、原腸形成における中心体ダイナミクスの解析を行った。まずxCETN2のEGFP融合型を作成しツメガエル胚に導入したところ、中心体特異的な局在を示した。更に将来脊索を形成する背側中胚葉細胞におけるEGFP-xCETN2の動態を解析した結果、極性化した中胚葉細胞で特徴的な局在を示すことが明らかになった。これは中心体のダイナミクスが細胞内輸送の極性化と原腸形成過程に関連があることを示唆しており、より詳細な動態解析が望まれる。加えて、原腸形成や神経管閉鎖の過程の単一細胞レベルでの解析に向け、ライブイメージング技術の改良を更に推進した。前年度までに確立したツメガエル神経胚における細胞形態の時間・空間的変化の可視化技術を用いて5次元イメージングを行い、細胞形態の変化を定量化した。これにより前述のxMIDとxCETN2、更にPCP経路やaPKC-PAR複合体の構成因子の機能を定量的に解析する方法の実現化が期待される。
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Research Products
(6 results)