2007 Fiscal Year Annual Research Report
植生遷移・風化・地形発達に伴う森林土壌の孔隙構造変化が斜面水文過程に及ぼす影響
Project/Area Number |
07J05066
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 祐妃 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 土壌の孔隙径分布 / 不飽和水分特性 / 天然林斜面 / 土壌の不均質性 |
Research Abstract |
植生・風化・地形発達による不飽和水分特性の変化を明らかにするために,天然林斜面において不撹乱サンプルを採取し,不飽和水分特性を特徴付ける土壌の孔隙径分布を測定した。天然林斜面においては,土層の上層から植生の影響,基岩からは風化の影響が見られる。また,斜面の上部には残積土,下部には崩積土の影響が見られるため地形による土壌構造の違いが見られる。このように天然林斜面では,植生・風化・地形発達の影響が異なる段階の土壌の孔隙構造が分布しているため,不均質である。また,孔隙径分布は孔隙半径と孔隙径分布の分布の幅,孔隙率という三つもの特性を用いて表現される。不均質な分布を単純化するために,孔隙径分布をより少ない特性で表現できるかどうかスケーリング手法を用いて検討した結果,孔隙率を用いることで精度良く表現できることが分かった。従って,植生・風化・地形発達の影響による土壌の孔隙径分布の変化には,孔隙率が最も影響していることが分かった。これまで孔隙半径の違いが土壌の孔隙径分布を特徴付けていると考えられてきたが,本研究により天然林斜面では孔隙率が最も孔隙径分布を特徴付けていることが分かった。また,孔隙径分布を測定するためには土層の断面を切ってサンプル採取を行い,その後数ケ月かけて室内試験を行うことが必要である。しかし,現場での測定が可能な貫入抵抗値の対数値と孔隙率とを回帰した結果,良い相関が見られたため,簡易に孔隙径分布の特性を測定することが可能であることを示唆することができた。
|
Research Products
(3 results)