2007 Fiscal Year Annual Research Report
TripleA症候群原因タンパク質であるALADINの機能解析
Project/Area Number |
07J05108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 敦史 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ALADIN / NDC1 / nuclear pore complex / Triple A症候群 / 核膜 / 核内輸送 |
Research Abstract |
NPC(nuclear pore complex)構成タンパク質の一つであるALADINをコードする遺伝子AAASは、Triple A症候群の原因遺伝子であることが知られている。Triple A症候群は、副腎皮質機能不全、自律神経系の異常、嚥下障害、無類症、無弛緩症等の症状を示す遺伝性疾患である。症状が多様なため原因の特定が困難で、発症機構は全く解明されていない。そのため、ALADIN及びALADINの結合タンパク質NDC1の機能を解析することは、Triple A症候群の発症機構を解明する上で非常に重要である。今年度は特に、NDC1の機能に注目して研究を行った。 ALADINがタンパク質の選択的核内輸送に関与していることはこれまでに報告されていたが、NDC1と核内輸送の関連性については明らかにされていなかった。NDCIとALADINが細胞内で複合体を形成していることから、NDC1もタンパク質の核内輸送に関与している可能性が考えられた。そこで、HeLa細胞においてNDC1をノックダウンし、タンパク質の核内輸送が阻害されないか調べた。 Simian Virus 40 large TantigenのNLS(NLS^<sv40>)の輸送にはALADINが関与していることが報告されている。NLS^<sv40>をNDC1のshRNAとコトランスフェクションした結果、NDC1をノックダウンしていない細胞ではNLS^<sv40>は核内に局在するが、NDC1をノックダウンした細胞では核内への局在が阻害され、細胞質にも局在することがわかった。以上の実験により、ALADINが関与するタンパク質の核内輸送経路において、NDC1が重要であることが示唆された。 今後は、NDC1の機能とTriple A症候群の関連についても検討を加えていきたいと考えている。
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