2008 Fiscal Year Annual Research Report
Triple A症候群原因タンパク質であるALADINの機能解析
Project/Area Number |
07J05108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 敦史 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ALADIN / NDC1 / nuclear pore complex / Triple A症候群 / 核膜 / 核内輸送 |
Research Abstract |
1年目の研究では、NDC1とALADINが核膜におけるタンパク質輸送においてどのように機能しているかを解析した。2年目となる今年度は、主にタンパク質間の物理的な相互作用に注目して実験を行った。 1.NDC1とALADINの結合について これまでに免疫沈降実験により、NDC1とALADINが細胞内で結合することを確認していた。しかし、その結合が直接的であるか間接的であるかを特定できていなかった。そこで、直接結合している可能性を検証するために、GSTを融合させたNDC1を大腸菌に作らせ、このGST-NDC1とin vitroで作製したALADINを用いてGST pull-down assayを行った。実験の結果、ALADINがpull-downされることが確認できたため、NDC1とALADINはin vitroにおいて直接結合することがわかった。これまでの実験結果と合わせて判断すると、ALADINとNDC1の結合の欠如がTriple A症候群の発症に関与している可能性が示唆された。 2.ALADINとFAIの結合について これまでに、ALADIN結合タンパク質としてFAIを同定していた。FAIはNDC1とも結合することがわかっており、NDC1、ALADINと共に3者複合体を形成している可能性があった。そこで、ALADINとFAIの結合について、より詳しく解析を行うことにした。 In vitroでのGST pull-down assayを用いて、FAIと野生型ALADIN、FAIと変異型ALADINの結合を確認した。その結果、FAIは野生型のALADINとも変異型のALADINとも結合するものの、その結合の強さは変異型のALADINの方がより強いものであった。Triple A症候群において見られる変異型のALADINがFAIとより強い結合を示すことから、FAIとの結合の強さの変化が、Triple A症候群の症状の原因となっている可能性も考えられる。
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