2008 Fiscal Year Annual Research Report
小型魚類における時期・領域特異的なRNAi法の確立と神経系形成機構の解析への応用
Project/Area Number |
07J05118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 絵里 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / GAL4-UASシステム / エンハンサートラップ法 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
脊椎動物でGAL4-UASシステムを実用化し、遺伝子の機能解析へと応用するため、私は特別研究員としての2年間の研究によって、ゼブラフィッシュでGAL4-UASシステムを利用したエンハンサートラップ法を確立した。本研究で作製した低毒性で且つ強力な転写活性化能を有するGAL4融合蛋白質を利用し、エンハンサートラップ系統を作製することで、GAL4発現系統の作製に最適なコンストラクトを調べた。その結果、試した7種類のコンストラクトのうち、VP16転写活性化ドメインの活性中心を2つつないだ転写活性化ドメインをもつGAL4融合蛋白質、もしくは、転写因子NFκBの転写活性化ドメインをもつGAL4融合蛋白質を含む3種類のコンストラクトがGAL4発現系統の作製に適していた。そこで、それら3種類のコンストラクトを用いて作製したエンハンサートラップ系統の単離をさらに行い、様々な組織で特異的に活性をもつGAL4発現系統を得た。これらの系統を用いることで、GAL4-UASシステムを介して時期や領域特異的に遺伝子を発現させることが容易となる。 特に本年度は、研究の成果を学会でのポスターや論文の形で発表することが出来た。確立した遺伝子発現制御システムについて、その成果を国際学会でポスターにより発表した。さらに、学術雑誌への投稿を行い、受理された。 また、GAL4-UASシステムを介した時期・領域特異的なRNAi法を確立することで、グループB1 sox遺伝子群の中枢神経系の形成における役割を明らかにしたいと考え、ゼブラフィッシュ胚で高い阻害効率を示すshRNA発現コンストラクトのデザインを検討した。培養細胞において阻害効果が確認されているGFPの活性を阻害するようなshRNA発現ベクターを用い、ゼブラフィッシュ胚で発現されるGFPに対する効果を調べていたが、本年度中に成果が出るには至らなかった。
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Research Products
(4 results)