2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属による炭素-フッ素結合活性化を伴う含フッ素ペプチドイソスターの合成研究
Project/Area Number |
07J05170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鳴海 哲夫 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ペプチド結合等価体 / フルオロアルケン型イソスター / パラジウム / CXCR4 / FC131 / FCNOO1 |
Research Abstract |
ペプチドリード創薬において有用なペプチド結合等価体である含フッ素ジペプチドイソスターの立体選択的かつ大量合成が可能な合成ルートの開発を目的として、合成中間体であるフルオロアルケン型ジペプチドイソスターの新規合成法を開発した。具体的には、種々のアルデヒドから容易に誘導可能なアリルジフルオリドに対し、エタノール溶媒、触媒量のトリエチルアミン存在下、アリルパラジウムクロリドダイマー/1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及びフェニルシランを作用させることで、脱フッ素化を伴いながらフルオロアルケン型イソスターが化学選択的に高収率で得られることを見出した。 またフルオロアルケン型イソスターをケモカイン受容体CXCR4アンタゴニストである環状ペンタペプチドFC131に応用し、官能基を有するフルオロアルケン型イソスターの合成とペプチド固相合成法への適用を検証した。以前に報告したトランスメタル化を経由する還元/不斉アルキル化反応を鍵反応として、オルニチン-オルニチン型イソスターを合成、保護基変換の後、ペプチド固相合成法によりイソスター骨格をペンタペプチド誘導体に導入した。樹脂から保護ペプチド切り出した後、環化、脱保護反応、グアニド化を経てアルギニン-アルギニン型イソスターを含むFC131誘導体(FCN001)を合成した。さらに得られたFCN001及びFC131についてCXCR4アンタゴニスト活性を評価したところ、FCN001はFC131に比べ約1/20程度ではあるが、297nMのアンタゴニスト活性を示した。本年度の研究により、環状ペプチドにおいてフルオロアルケン型イソスターはペプチド結合等価体として有用であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)