2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属による炭素-フッ素結合活性化を伴う含フッ素ペプチドイソスターの合成研究
Project/Area Number |
07J05170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鳴海 哲夫 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ペプチド等価体 / フルオロアルケン / トリフルオルメチルアルケン / SC29EK / アミノ酸等価体 / Bode ligation / α-ケト酸 |
Research Abstract |
フルオロアルケン型ジペプチドイソスターに比べ、より大きな双極子モーメントを有するトリフルオロメチルアルケン型ジペプチドイソスターのジアステレオ選択的合成を目的として、鍵反応となるトリフルオロメチル化反応について精査した。アミノ酸から誘導したγ-ケト-α,β-不飽和エステルに対し、触媒量のアルコール存在下、トリフルオロメチルトリメチルシランおよび炭酸カリウムを作用させることで、トリフルオロメチル化体が高収率で得られることを見出した。 また、Lys-Lysアルケン型およびフルオロアルケン型ジベプチドイソスター含有SC29EKアナログの構造活性相関研究を行い、イソスター導入に伴う抗HIV活性およびα-ヘリックス構造の安定性について精査した。その結果、SC29EKに存在する4つのLys-Lysペプチド結合のアルケンまたはフルオロアルケンヘの置換は全ての場合において活性の低下を導くことが示唆された。また、CD測定による構造解析を行った結果、N末端またはC末端側にイソスターを有するアナログは、アルケンおよびフルオロアルケン両アナログともSC29EKと同様にα-ヘリックス構造を有していることが明らかになった。 さらに、イソスター化学における新展開として新規アミノ酸等価体合成および新概念に基づくペプチド合成について研究を行った。D-Gulose誘導体を用いてアミノ酸等価体を合成し、α-ケト酸との開環反応を伴うBode ligationによりα-ケト酸前駆体へと誘導した。その後、α-ケト酸への変換について精査した結果α位不斉点のラセミ化を伴わない酸性条件での変換に成功した。
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Research Products
(7 results)