2008 Fiscal Year Annual Research Report
可逆的な遺伝子ノックダウンシステムを用いた霊長類での認知記憶形成機構の解明
Project/Area Number |
07J05225
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 陽平 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レンチウイルスベクター / 認知記憶 / 霊長類 / WGA |
Research Abstract |
本研究は、視覚性対連合課題遂行中のサルを被験体として、レンチウイルスベクターを用いて記憶関連分子の可逆的ノックダウンまたはK+ channel等の遺伝子導入による神経細胞活動の制御を行なうことで、認知記憶形成過程における分子や細胞の役割を個体レベルで明らかにすることを目的としている。当該年度においては、レンチウイルスベクターの霊長類への応用に向け培養系及びラットを用いて、次のような検討を主に行なった。1.レンチウイルスベクターのインターナルプロモーター及び調節因子の検討、2.高力価レンチウイルスベクターの作製検討、3.バイシストロニックレンチウイルスベクターの開発、4.レンチウイルスベクター濃縮液の組織毒性軽減へ向けた検討、5.ラット脳へのレンチウイルスベクター感染範囲の検討である。霊長類(サル)では実験に使用できる頭数に限りがあるため、げっ歯類を用いた条件検討は必須である。上記の条件検討では、それぞれにおいて目的を達成することが出来たが、特に大きな進展が「2.高力価レンチウイルスベクターの作製検討」で得られた。 レンチウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスベクター等と比べて力価が上がり難いことが欠点と言えるが、当該年度は、高力価レンチウイルスベクターを作製するため、St.Jude Children's Research Hospitalで開発されたレンチウイルスベクターシステム(Hanawa et al.,2002)の使用を検討した。超遠心による濃縮精製後の力価は、10^<10>-10^<11>(TU/ml)と高力価であり、これは昨年度に作製したレンチウイルスベクターの10-100倍の力価であった。 上記以外にも、経シナプス性に神経細胞間を輸送されるWGA遺伝子を発現するレンチウイルスベクターを用いたラット脳の解析、霊長類にレンチウイルスベクターを使用することが可能なP2A設備の導入等を行なった。
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Research Products
(6 results)