2007 Fiscal Year Annual Research Report
CINCA症候群患者の臨床的解析と疾患関連CIAS1遺伝子変異の機能的解析
Project/Area Number |
07J05229
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 潤 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | CINCA症候群 / CAPS / CIAS1 / 体細胞モザイク / 細胞死 / 単球 |
Research Abstract |
【目的1】CIAS1変異を伴う単球のLPS依存性細胞死の機構を解析し、CINCA患者の病態生理との関連を解明する。 【実績】我々は、CINCA症候群患者の末梢血単核球を解析し、CIAS1変異を持つ単球がLPS刺激により急速に細胞死に陥ることを発見した。この現象が、患者の病態生理にどのような影響を及ぼしているかを検討するために、細胞死の機構を解析したところ、カテプシンB依存性かつカスパーゼ1非依存性であり、従来のIL-1b産生系とは別個の経路が細胞死に関わっていることを発見した。また、この現象は、CIAS1変異を持つ単球に特有の現象であり、リンパ球や正常単球では認めなかった。 【目的2】本邦におけるCINCA症候群と類縁疾患(CAPS)症例を集積し、疾患責任遺伝子を解明し、CAPSの再分類を試みる。 【実績】CINCA症候群を含む、CIAS1遺伝子の変異が原因で発症する一連の症候群をCAPS(cryopyrin-associated periodic syndrome)と称するが、臨床的にCAPSと診断されてもCIAS1の変異が見つからない症例が存在する。これら変異変異陰性患者の単球を用いてLPS依存性細胞死の有無を検討したところ、4例中3例では、一部の単球が細胞死に陥り、これらの細胞はCIAS1変異を持つことが判明した。このことから、変異陰性のCAPS患者には、通常では同定できない変異CIAS1のモザイク患者がいることが判明し、変異陰性CAPS患者の遺伝的背景の一部が明らかにされた。
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Research Products
(4 results)