2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子-高分子ハイブリッドナノ組織体の構造制御と高効率光機能材料への展開
Project/Area Number |
07J05232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石藤 美紀 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | LB膜 / 光第二高調波発生 / ナノ組織体 / 表面プラズモン |
Research Abstract |
Langmuir-Blodgett(LB法)により作製される高分子ナノシートを基盤として、金属ナノ粒子と非線形光学高分子ナノシートによる高分子ハイブリッドナノ組織体を構築し、光をキーワードとした高効率光機能材料を開発するとともに、光第二高調波発生(SHG)への金属ナノ粒子の表面プラズモンカップリングの影響の解明を目的する。ナノメートルスケールを有する有機・無機ナノ材料から成り立つハイブリッドナノ組織体は各々の材料からは得られない新奇な機能を発現すると期待される。一方、それらナノ材料の構築にはナノ表面・ナノ界面でのナノ物質の構造制御が要求される。本年度は金属ナノ粒子の表面プラズモンがもたらす電場増強効果についての詳細な構造の検討、および定量的な知見を得ることを目的としてきた。LB膜の特徴として、2次元平面のみならず、3次元方向へのナノ組織体の構築を実現する。金属ナノ粒子-非線形光学高分子ナノシートの繰り返し積層による、SH光強度の巨大増強を確認できた。この増強は金ナノ粒子層間における表面プラズモンカップリングにより巨大電場増強に由来する。また、SH光強度は積層数の2乗に比例するという結果が得られ、積層体は1.7nmの膜厚を有する非線形光学高分子ナノシートと、30nmの金ナノ粒子という大きさの異なるナノ材料の集積化においても優れた非線形光学特性を保持していることが示唆された。この成果はChem.Comm.,1058(2008)にinsideの表紙とともに掲載された。さらに積層体の構造について原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した。2次元平面上における近接した2個の金ナノ粒子の観察に関する報告は多数あるが、3次元方向、つまり基板と垂直方向に積層した2個の金ナノ粒子の状態を確認することができた。
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