2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子-高分子ハイブリッドナノ組織体の構造制御と高効率光機能材料への展開
Project/Area Number |
07J05232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石藤 美紀 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | LB膜 / プラズモン / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
非線形光学色素ディスパースレッド1(DR1)を有するp(DDA/DR1)ナノシートと優れたLangmuir-Blodgett(LB)膜形成能を有するポリ(N-ドデシルアクリルアミド)(pDDA)ナノシートとの交互積層および局在表面プラズモン共鳴という現象を有する金ナノ粒子とのハイブリッド化により、高分子ハイブリッドナノ組織体を構築した。粒径の異なる金ナノ粒子(12,30,60nm)1層からなる高分子ハイブリッドナノ組織体の第二高調波(SH)光強度は、金ナノ粒子がない場合に比べて大きく増強した。一方、60nmの金ナノ粒子を用いた場合、SH光はほとんど増強されなかった。環境制御型走査型電子顕微鏡(ESEM)や原子間力顕微鏡(AFM)より、高分子ハイブリッドナノ組織体中の金ナノ粒子の吸着状態を観察したところ、粒径12nm,30nmの金ナノ粒子においては、孤立金ナノ粒子のほかに隣接する2個の金ナノ粒子の存在が確認された。一方、60nmの金ナノ粒子を用いた場合、吸着粒子数は12nm,30nmと比較しで少なく、孤立金ナノ粒子のみが確認された。また、pDDAナノシートをスペーサーとして金ナノ粒子単粒子層とp(DDA/DR1)ナノシート間の距離を制御し、SHGを検討したところ、SH光強度は指数関数的に減衰することがわかった。さらにp(DDA/DR1)ナノシートを2層の金ナノ粒子で挟んだサンドイッチ構造を有するハイブリッドナノ組織体を作製し、そのSHGを検討したところ、金ナノ粒子1層にくらべて12nmで16倍、30nmで36倍、60nmで2.7倍の増強度を得られた。基板と垂直方向に配向した金ナノ粒子層間の局在表面プラズモンカップリングが効果的にSHGにはたらいたことに起因する。
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