2007 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞生存決定因子としてのグルタミントランスポーターに関する分子薬理学的研究
Project/Area Number |
07J05248
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小椋 正人 Kanazawa University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トランスポーター / アストログリア細胞 / グリア生存因子 / 分子薬理学 / グルタミン / cAMP / プロモーター |
Research Abstract |
ラット大脳皮質由来培養アストログリア細胞には、神経細胞と同様にグルタミントランスポーター(GlnT)が機能的に発現すること、およびリポポリサッカライド曝露による細胞活性化に伴い、GlnTプロモーター活性の低下を通じて、GlnT mRNA発現量低下とGln輸送活性減少が誘発されることを以前に示したが、続いて代表的な細胞内シグナルであるcAMP分子に着目して、GlnT機能調節への関与の可能性を検討した。その結果、培養アストログリア細胞において、アデニル酸シクラーゼ活性化薬であるForskolin曝露に伴い、細胞内cAMP蓄積量の著明な増加が観察された。この時、Gln輸送活性の増加とともにGlnT mRNA発現量も時間および用量依存的に増加した。このGlnT mRNA発現量増加が転写活性の変化によるものかを検討する目的で、GlnTプロモーター活性を測定したところ、Forskolin曝露に伴い、GlnTプロモーター活性は有意に増加し、さらにPKA阻害薬であるH89で阻害された。次に、PKAシグナル下流の代表的な転写因子であるcAMP response element binding protein(CREB)のリン酸を解析したところ、Forskolin曝露に伴ってリン酸化CREBたんぱく質が著明に増加した。この転写因子とGlnTプロモーターの直接的な相互作用を解析する072的でChIPアッセイを行ったところ、リン酸化CREBはGlnTプロモーターと直接的に相互作用することが明らかとなった。以上の結果より、ラット大脳皮質由来培養アストログリア細胞に発現するGlnTはForskolin曝露によって輸送活性が増加するが、その分子機構にはGlnTプロモーター活性に対するリン酸化CREBの直接的な関与が示唆される。
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Research Products
(3 results)