2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞生存決定因子としてのグルタミントランスポーターに関する分子薬理学的研究
Project/Area Number |
07J05248
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小椋 正人 Kanazawa University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トランスポーター / アストログリア細胞 / ダリア生存因子 / 分子薬理学 / グルタミン |
Research Abstract |
ラット大脳皮質由来培養アストログリア細胞には、神経細胞と同様にグルクミントランスポーター(GlnT)が機能的に発現すること、および、アデニル酸シクラーゼ活性化薬であるForskolin曝露に伴い、GlnTプロモーターの活性化を通して、GlnT mRNA発現およびGln輸送活性増強が出現することを以前に示した。さらに、GlnT過剰発現実験からGlnT mRNA発現増強はアストログリア細胞の酸化的ストレス脆弱性を惹起することが判明した。そこで、GlnTによるアストログリア細胞の酸化的ストレス脆弱性惹起メカニズム解明およびアストログリア細胞の機能変化が神経細胞死に与える影響を解析する目的で、GlnT安定発現C6 Glioma細胞株を作製した。まず、GlnT安定発現株においてHPLCを用いて細胞内Gln濃度を測定したところ、著明な細胞内Gln濃度の増加が観察された。さらに、過酸化水素曝露細胞死を検討したところ、PI陽性細胞数の増加が観察された。この時、GlnT抗体を用いた免疫染色法を行ったところ、GlnTたんぱく質は細胞膜上ではなく、細胞間接着面において局在性が観察され、さらに、ROS蛍光指示薬であるHydroethidineを用いてROS産生能を評価したところ、産生能はGlnT安定発現株において著明に増加していた。次に、グルタミン酸誘発性海馬神経細胞死に対するGlnT安定発現株のコンディション培地の影響を解析したところ、著明な回復効果が観察された。そこで、神経栄養因子発現量を解析したところGlnT安定発現株において、NGFおよびNT4/5mRNA発現量の著明な増加が観察された。以上の結果より、C6 Glioma細胞において、GlnTの安定発現は酸化的ストレス脆弱性を惹起すると共に、Glu誘発性神経細胞死に対しては神経栄養因子を介した防御作用を発揮する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)