2008 Fiscal Year Annual Research Report
中世北東アジアにおける生産・物流システムの比較考古学的研究
Project/Area Number |
07J05290
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
中澤 寛将 Chuo University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 北東アジア / 中世 / 考古学 / 生産・物流システム / ロシア:中国 / 比較文化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、考古学的手法を中心として、中世北東アジアの生産・物流システムの展開過程とその実態について解明することである。特に、渤海・女真(金)・東夏と日本列島北部の手工業生産・物資流通の構造について比較研究を行ない、中原地域・朝鮮半島(高句麗や高麗)・琉球等の周辺地域の状況も考慮しながら、中世北東アジアの生産・物流システムとその歴史的特質について解明することをねらいとしている。 本年度は、渤海の陶質土器生産の実態を明らかにすることを目的として、7月〜8月にロシア科学アカデミー極東支部歴史学・考古学・民族学研究所の協力を得て、ロシア沿海地方に所在するクラヌキノ城址で現地踏査および出土遺物の調査を行った。成果の一部については、第10回北アジア調査研究報告会において口頭報告した。また10月には、アムール河中・上流域及びその支流域の中世遺跡(靺鞨〜元代)の調査・研究の現状を確認することを目的として、ロシア国立ブラゴベシェンスク教育大学・ロシア国立ブラゴベシェンスク大学・ブラゴベシェンスク郷土博物館・アムール州文化局・ハバロフスク国立極東博物館等において、中世遺物の調査を実施するとともに、諸研究員と中世遺跡調査の現況について情報交換をした。この他、継続して実施している日本列島の窯業生産・流通構造・大陸系文物の流入状況を明らかにするために、北部九州・奈良・東北・北陸において古代・中世遺跡及び遺物の調査を行った。また7月には北海道考古学会定例研究会において、昨年度の東北地方北部・北海道での窯業関連遺跡出土遺物の調査を踏まえ、日本列島北部における須恵器生産・流通・消費の特質に関して口頭報告を行った。
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Research Products
(5 results)