2008 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役型受容体によるリゾファスファチジン酸分子種識別機構の解明
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07J05298
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳田 圭介 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リゾホスファチジン酸(LPA) / Gタンパク質共役型受容体 / LPA受容体 / LPA分子種 / リガンド選択性 / 血小板LPA受容体 / オーファン受容体 / p2y5 |
Research Abstract |
本研究は、これまでに同定されたLPA受容体だけでは説明できないLPAの多種多様な作用、さらには細胞によってLPA分子種認識に違いが生じるメカニズムを明らかにすることを目的とする。昨年度(〜平成21年3月31日)の研究実施計画は、1)血小板型LPA受容体としてのLPA5の機能解析、また2)新たに同定したLPA受容体の機能解析であった。 1)マウスの血小板においてLPAは他のアゴニストによる凝集を抑制することが報告された。欠損マウスのデータ等からLPA1-3では説明ができない現象であり、LPA4やLPA5、また新規同定したp2y5/LPA6(下記参照)の関与が示唆された。当教室のLPA4欠損マウスを用いて検討したところ、凝集抑制はLPA4以外の受容体を介していることがわかった。マウス血小板にLPA5が発現していることもわかり、LPA5を介する可能性が示唆されたので、今後LPA5欠損マウスを用いて検討していく。 2)血小板のLPA応答以外にも、LPA1-5では説明できない現象がある。HUVECはLPA1-5のうちLPA1を発現しているものの、LPA1受容体拮抗薬でLPAに対する応答が抑制されないため、第6のLPA受容体の存在が示唆された。今回、申請書研究計画にも記載した方法により、つまりオーファン受容体の中からLPAに応答する受容体を検索していくアプローチにより、オーファン受容体p2y5がLPA受容体であることを明らかにした。その後の解析の結果、低分子量Gタンパク質Rhoに専らシグナルを送る特殊な受容体であることがわかった。さらに、HUVECのLPA応答は実際にp2y5を介して起こることをsiRNAにより明らかにした。 上記の研究成果は国際生化学誌に投稿し、現在改訂版の審査中である。今回の研究により、私はp2y5が第6のLPA受容体であり、LPA6と呼ぶことを提唱している。
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[Journal Article] Platelet-Activating Factor Production in the Spinal Cord of Experimental Allergic Encephalomyelitis Mice via the Group IVA Cytosolic PLA2-LysoPAFAT Axis2008
Author(s)
Kihara, Y., Yanagida, K., Masago, K., Kita, Y., Hishikawa, D., Shindou, H., Ishii, S., Shimizu, T.
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Journal Title
Journal of Immunology 181
Pages: 5008-5014
Peer Reviewed
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