2007 Fiscal Year Annual Research Report
可視光感受性および紫外光感受性ロドプシン類における高効率光情報変換メカニズム
Project/Area Number |
07J05303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
筒井 圭 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 視覚 / ロドプシン類 / 視物質 / レチナール発色団 / 光異性化 / 量子収率 / 紫外光感受性視物質 / E113 |
Research Abstract |
ロドプシン類が光受容体として機能するためには、レチナール発色団の光異性化反応が高効率で起こることが重要である。光異性化効率(量子収率)はロドプシン類の蛋白質部分によって制御されていると考えられるが、具体的な機構はほとんど解明されていない。前年度までの研究により、可視光感受性および紫外光感受性のロドプシン類において113番目のグルタミン酸残基(E113)が発色団の光異性化を促進していることが明らかとなった。そこで本年度は、E113による光異性化促進のメカニズムを明らかにすることを目的として、以下の研究を行った。 (1)113番目の位置にあるアミノ酸の側鎖のどのような物理化学的特性が光異性化を促進するのかを明らかにするため、ウシロドプシン、およびマウスの紫外光感受性視物質(マウスUV)のそれぞれにおいて、E113を他の19種類のアミノ酸に置換した一連の変異体を作成し、量子収率または光感受性を測定した。それらの結果から、ウシロドプシンおよびマウスUVにおいてはE113がもつ負電荷が光異性化を促進していることが示唆された。 (2)マウスUVにおいてE113が負電荷を帯びて光異性化を促進している可能性を検証するため、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を用いてE113の解離状態を直接明らかにすることを試みた。その結果、ロドプシンを測定する場合と同様の条件下では十分なシグナルを得られないことが判明した。今後、測定に適した条件を検討したい。
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Research Products
(3 results)