2009 Fiscal Year Annual Research Report
可視光感受性および紫外光感受性ロドプシン類における高効率光情報変換メカニズム
Project/Area Number |
07J05303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
筒井 圭 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 視覚 / ロドプシン類 / レチナール / 光感受性 |
Research Abstract |
ロドプシン類が光受容体として機能するためには、レチナール発色団の光異性化反応が高効率で起こることが重要である。ロドプシン類の発色団にはシッフ塩基と呼ばれる部分がプロトン化したもの(可視光感受性)と脱プロトン化したもの(紫外光感受性)の二種類が存在するが、私はロドプシン類の蛋白質部分がそれら二種類の発色団の光異性化効率(量子収率)を制御する機構を研究している。前年度までの研究により、脊椎動物の可視光感受性および紫外光感受性ロドプシン類において113番目のグルタミン酸残基(E113)が発色団の光異性化を促進していることが明らかとなった。しかし、無脊椎動物タイプのロドプシン類はE113を持っていないことが知られている。そこで本年度は、無脊椎動物タイプのロドプシン類における光感受性を明らかにすることを目的として、以下の研究を行った。 (1)E113を持たない可視光感受性ロドプシン類であるナメクジウオロドプシンの光感受性を測定した。 その結果、脊椎動物のロドプシン類と同程度であることが明らかとなった。また、E113を持たない紫外光感受性ロドプシン類であるミツバチUVの光感受性を測定したところ、やはり脊椎動物のロドプシン類と同程度の値を示した。 (2)E113を持っているが無脊椎動物タイプの性質を示すロドプシン類であるヤツメウナギパラピノプシンの光感受性を測定したところ、やはり脊椎動物のロドプシン類と同程度であった。 (1)および(2)の結果から、無脊椎動物タイプのロドプシン類も脊椎動物のロドプシン類と同程度の光感受性を持ちうることが分かった。
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Research Products
(1 results)