2007 Fiscal Year Annual Research Report
トレイル受容体誘導作用を指標とした抗腫瘍性天然シーズの探索
Project/Area Number |
07J05308
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菊地 博之 Chiba University, 大学院・医学薬学府, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | TRAIL / Death Receptor 5 / アポトーシス / 天然化合物 / イソフラボノイド |
Research Abstract |
抗腫瘍性リガンド(TRAIL)とそのデス受容体(Death Receptor:DR)を介するシグナルカスケードは腫瘍細胞選択的にアポトーシスを誘導することが報告されている.このため,本経路は新たな癌治療薬の創製における有望な標的として注目されている。本研究では,デス受容体であるDR5(death receptor 5)に着目し,DR5誘導作用を指標とした天然物探索の一環として,当研究室に保有する天然物資源ライブラリーを対象としたスクリーニング試験を実施した.DR5誘導作用を検出するアッセイ法として,DR5プロモーター領域の下流にルシフェラーゼ遺伝子がコードされているプラスミドベクター(pDR5/SacI)をヒト大腸癌細胞(DLD-1)に導入した安定発現細胞株(DLD-1/SacI cell)を用い,試料添加によるDR5プロモーターの活性化をルシフェラーゼアッセイにより評価した.150種の植物エキスを対象にスクリーニングを実施したところ7種に顕著なDR5プロモーター活性の上昇が認められた.これらの陽性エキスのうち,Millettia brandisiana(マメ科)について,DR5誘導作用をもつ活性成分の探索を行った.M.Brandisianaの葉部のメタノール抽出物について,上記試験を指標とし,溶媒分配,カラムクロマトグラフィーによる分画を繰り返し行い,新規イソフラボノイドbrandisianin A〜Fを含む11種の化合物を単離した.これら化合物のうち,brandisianinD,4'-demethyltoxicarol isoflavone(7)が顕著なプロモーター活性を示すことが判明した。また,化合物7のトレイル耐性克服作用について検討を行ったところ,トレイル耐性胃癌細胞に対して、トレイルとの併用処理によりその耐性を克服することが明らかになった。これは、化合物7によるDR5の発現上昇を介してトレイル誘導性アポトーシスが誘導されたものと考えられる。
|
Research Products
(4 results)