2008 Fiscal Year Annual Research Report
トレイル受容体誘導作用を指標とした抗腫瘍性天然シーズの探索
Project/Area Number |
07J05308
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菊地 博之 Chiba University, 大学院・医学薬学府, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | TRAIL / Death Receptor 5 / アポトーシス / 天然化合物 / イソフラボノイド |
Research Abstract |
抗腫瘍性リガンドTRAIL(TNF-Related Apoptosis-Inducing Ligand)とその受容体(Death Receptors:DRs)を介するシグナル伝達は,腫瘍細胞選択的にアポトーシスを誘導する.このため,TRAILシグナル伝達系は新しい癌治療薬の標的経路として注目されている.本研究ではDR5誘導作用を指標とした天然物探索を目的として,当研究室に保有する植物及び放線菌エキスライブラリーを対象としたスクリーニング試験を実施した.さらに,得られた化合物の中で強い活性が認められた化合物について,TRAIL耐性細胞に対する耐性克服作用の検討を行った. スクリーニング試験の結果陽性と判定した3種の植物エキス(Millettia brandisiana,Ardisia colorata,Garcinia mangostana)及び1種の放線菌エキス(CKK609株)について,活性を指標に分画を行い,新規イソフラボノイド7種を含む31種の化合物を単離した.更に,特に強いDR5プロモーター活性を示した4'-demethyltoxicarolisoflavoneについて,TRAIL耐性ヒト胃癌細胞(AGS細胞)に対するTRAIL耐性克服作用の検討を行った.その結果,本化合物はTRAILとの併用処理により,DR5の発現上昇を介し感受性を高め,TRAIL誘導性アポトーシスを誘導することが認められた.また,これらの併用処理によるアポトーシス誘導は正常細胞においては認められないことから,腫瘍細胞選択的であることが示唆された. 本研究で得られたDR5誘導作用をもつ化合物は,腫瘍細胞選択的にアポトーシスを誘導する癌治療の補助剤のリード化合物としての利用が期待される.DR5の発現上昇を介してトレイル誘導性アポトーシスが誘導されたものと考えられる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article] Death receptor 5 targeting activity-guided isolation of isoflavones from Millettia brandisiana and Ardisia colorata and evaluation of ability to induce TRAIL-mediated apoptosis2009
Author(s)
Kikuchi, H., Ohtsuki, T., Koyano, T., Kowithakorn, T., Sakai, T., Ishibashi, M.
-
Journal Title
Bioorganic and Medicinal Chemistry 17
Pages: 1181-1186
Peer Reviewed
-
-
-