2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05323
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
近藤 広孝 Nihon University, 生物資源科学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自然発生腫瘍 / シリアンハムスター / ジャンガリアンハムスター / エキゾチックアニマル |
Research Abstract |
(1)90症例のハムスター類の自然発生腫瘍を材料とし、病理組織学的に分類を行った結果、ジャンガリアン(D)ハムスターにおいては大部分の腫瘍が外皮系に認められた一方で、シリアン(S)ハムスターにおいては造血器系腫瘍が最も一般的であった。Dハムスターにおいて最も多く認められた外皮系腫瘍は、乳腺腫瘍、異型線維腫、乳頭腫であり、実験動物においては報告されていない外皮系腫瘍の多様さが明らかにされた。Sハムスターでは、形質細胞腫、リンパ腫が最も一般的であった。本研究はペットのハムスター類における自然発生腫瘍の初めての包括的な研究であり、報告された。 (2)発生数が多いもののこれまでに明らかにされていないDハムスターに自然発生した乳腺腫瘍12症例を形態学的に検索したところ、単純腺腫、管状乳頭状腺癌、複合癌の3つのサブタイプが明らかにされ、全症例において、大半の腺房構造内に顕著なアポクリン分泌が認められた。さらに免疫組織化学的に12症例中、10症例の腫瘍性乳腺上皮はARに陽性を示し、全症例はPRに陰性、ERαは5症例で陽性を示し、性ホルモンの関連についても明らかにした。本動物種の自然発生乳腺腫瘍を形態学的、免疫組織化学的特徴を述べた初めての報告はである。 (3)Dハムスターに発生した腫瘤について病理組織学的に検索した結果、少量の膠原線維を伴って浸潤性の強い紡錘形ないし星芒形細胞の充実性交錯状増殖が明らかとなり、免疫組織化学的に神経系・筋系マーカーに陰性を示したことから線維肉腫と診断された。家庭飼育動物としてのDハムスターに自然発生した線維肉腫として世界で初めて報告した。 これらの研究はハムスター類の自然発生腫瘍解明の基礎になると考えられる。
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Research Products
(6 results)