2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機化学的手法を用いた分子間動的超分子認識機構の解明と医薬品開発への展開
Project/Area Number |
07J05327
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 悠介 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イソキノリン / 多成分反応 / 環境適応型合成 / 銅触媒 / 連続反応 |
Research Abstract |
イソキノリン骨格は生物活性化合物や天然物に広く見られる基本構造である。特に3位にアミノメチル基を有するイソキノリンは重要な生物活性をもつ化合物に存在する。一方で、多成分反応や連続結合形成反応は、環境調和型反応として注目を集めている。これらの観点から、報告者は多成分カップリングによる3-(アミノメチル)イソキノリンの合成を検討した。 まず、銅触媒存在下2-エチニルベンズアルデヒド、パラホルムアルデヒド、二級アミンを用いて、イソキノリン骨格に導入する窒素原子供与体の検討を行った。種々検討の結果、2,4,6-トリメチルベンジルアミンやt-ブチルアミンを用いた場合、高収率で目的のイソキノリンが得られた。原子効率の観点から、t-ブチルアミンを最適な窒素原子供与体として、以降の検討を行った。 次に様々な二級アミン成分を用いて、反応の有用性を検討した。ジベンジルアミンを用いた場合、最初のマンニッヒ型カップリングが進行せずに原料回収に終わったが、より立体障害の大きいビス(1-フェニルエチル)アミンを用いた場合には高収率でイソキノリンが得られた。ピペリジン、ピロリジン、ジアリルアミンを用いた場合には、目的のイソキノリンが良好な収率で得られた。 また芳香環に置換基のある2-エチニルベンズアルデヒドを用いて反応を行ったところ、4位、5位に電子吸引基であるフッ素が存在する場合、4位、5位にそれぞれメチル基とメトキシ基が存在する場合のいずれにおいても高収率で目的の3-(アミノメチル)イソキノリンが効率よく得られた。
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Research Products
(4 results)