2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機化学的手法を用いた分子間動的超分子認識機構の解明と医薬品開発への展開
Project/Area Number |
07J05327
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 悠介 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | copper / 1,4-diazepine / indole / tandem catalysis / Mannich-type reaction / N-arylation / microwave |
Research Abstract |
入手容易な化合物から構造的に複雑な化合物を高収率、温和な条件、簡便な作業により創出する新しい方法論の開発は非常に魅力的であると同時に挑戦的である。複数の触媒回転を同じ反応媒体で行うタンデム触媒は原子効率的観点から現在注目を集めている概念である。このような環境調和型化学合成を視野に入れて報告者は銅塩のタンデム触媒としての機能を期待し、銅塩の存在下エチニルアニリン誘導体、アルデヒド、オルトブロモベンジルアミン誘導体を用いたマンニッヒ型カップリング-インドール形成-N-アリール化によるインドール縮環型1,4-ジアゼピン骨格構築法の開発を行った。種々の条件の検討の結果、2.5mol%の一価のヨウ化銅の存在下N-メシル-2-エチニルアニリン、パラホルムアルデヒド、N-ブチル-(オルトブロモ)ベンジルアミンをジオキサン中マイクロ波照射下170℃で反応させることによりインドール形成をTLC上で確認後、メシル基の脱保護試薬としてナトリウムメトキシドを加えさらにマイクロ波照射化170℃でさらに反応させることにより目的のインドール縮環型1,4ジアゼピン化合物が高収率で得られた。この反応は様々なN-アルキル-(オルトブロモ)ベンジルアミンや電子供与性や吸引性の置換基が存在するエチニルアニリン誘導体にも適用可能であった。さらにブロモピリジンやブロモチオフェンを二級アミン成分として用いることにより、ピリジンやチオフェンが縮環した四環性化合物が得られた。これは銅触媒による三つの触媒回転と四つの結合を形成したワンポット反応の初めての例である。
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Research Products
(3 results)