2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機化学的手法を用いた分子間動的超分子認識機構の解明と医薬品開発への展開
Project/Area Number |
07J05327
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 悠介 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 銅 / 多成分反応 / ワンポット反応 / インドール / β-カルボリン / イソキノリン |
Research Abstract |
β-カルボリン骨格は生物活性天然物に広く存在する基本骨格であり、その効率的構築は天然物や医薬品合成分野において重要な課題の一つである。報告者は、最近開発した三成分インドール形成反応を用いれば、官能基化されたβ-カルボリン骨格がワンポットで効率的に構築できると考えた。検討の結果、N-(p-クロロベンゼンスルホニル)-2-エチニルアニリン、アルデヒド、及びN-メチルエタノールアミンを銅触媒存在下において反応させ、2-(アミノメチル)インドール形成後、t-BuOKを加えたところ、目的の置換β-カルボリン誘導体を効率的に得ることに成功した。一方、一価の銅塩(5mol%)を触媒として、マイクロ波照射中、N-メチル-2-エチニルアニリン、(HCHO)n、様々なN-アルキルグリシンや不斉中心を有するアミノ酸誘導体を用いてインドール誘導体形成後、メタンスルホン酸を加えさらに加熱すると、目的のβ-カルボリン化合物が効率的に得られることを示した。 一方報告者は最近、四成分3-(アミノメチル)イソキノリン合成法を開発した。本法をさらに展開し、t-BuNH2の代わりに分子内に求核的官能基の有するアミンを用いればイソキノリニウムイオンに対して分子内求核攻撃が進行し、イソキノリン縮環型多環式骨格が形成されると考えた。検討の結果、酸素雰囲気下2-エチニルベンズアルデヒド、(HCHO)n、及び二級アミンを触媒量の塩化銅の存在下で反応させ、プロパルギルアミンの生成後、ジアミンを加えさらに反応させた。その結果カスケード環化、酸化反応を経て3-(アミノメチル)イソキノリン縮環型多環式化合物を高収率で得ることに成功した。本法は入手容易な各成分を用いた多様性指向型イソキノリン合成法として有用である。
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Research Products
(7 results)