2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における褥瘡部の感染のアセスメント指標の開発
Project/Area Number |
07J05341
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲上 豪二朗 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クオラムセンシング / 褥瘡 / 創傷 / 感染 / 看護 / 高齢者 / アセスメント / アシル化ホモセリンラクトン |
Research Abstract |
褥瘡などの慢性創傷は、臨床徴候の欠除や開放による細菌汚染などによって、創傷感染を正確に診断することが困難である。近年、細菌が環境中の互いの個体密度を興tginducer(AI)と呼ばれるシ、グナル物質を介して感知し、制御下の遺伝子発現を活性化するQuorum Sensing機構が報告されている。細菌感染の成立に本機構が関与していることが報告されているが、創傷感染との関連は不明である。 そこで、1年目の研究目的葱緑膿菌PAO1株のAI(アジル化ホモセリンラクトン、AHL)をin vivoで定量し、組織の細菌数、組織破壊の程度と比較することで、感染診断の指標としての可能性を検討することとした。 Wistar雄ラット24匹をPAO1接種群、PBS接種群の2群に分け、接種後、3,7日で皮膚組織を採取した。皮膚組織中のAHL濃度を、AHLに反応してβガラクトジダーゼを産生するよう設計したEscherichia coli DH5α.(PJNIO5L,bSC11)またはAgrobacteriumtumefaclens NTL4(pZLR4)を用いて、定量した。皮膚組織中の細菌数および病理組織から緑膿菌感染褥瘡モデルが出来た事を確認した。レポーター株を用いた定量方法を用いることで、PAO1接種群のみでAHLが定量できた。予測されたように、PBS接種群ではいずれも検出感度以下であった。また、PAO1接種群の浸出液からもAHLが検出できた。以上より、創部でのAHLが感染に関与しており、その定量は感染の診断技術の開発につながることが示唆された。
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Research Products
(3 results)