2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規強磁性形状記憶合金における結晶磁気異方性の起源および双晶磁歪発現機構の解明
Project/Area Number |
07J05345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森戸 春彦 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教
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Keywords | 強磁性形状記憶合金 / 結晶磁気異方性の起源 / 双晶磁歪の発現機構 / Ni-Fe-Ga合金 / 第4元素置換 / 磁歪量の向上 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は基礎と応用の観点から結晶磁気異方性の起源および双晶磁歪の発現機構を解明すると共に、得られた知見をもとに磁歪量の向上を図ることが本研究の目的である。そこで、本研究では結晶磁気異方性と双晶界面の易動度に影響を及ぼす因子であるキュリー温度とマルテンサイト変態温度の組成依存性を調査した。その研究成果論文はMetall. Mater. Trans. Aに掲載された。さらに、第4元素がキュリー温度とマルテンサイト変態温度に及ぼす影響を明らかにし、Mater. Trans.に成果論文を投稿した。置換元素の影響を調べた結果、Co置換がキュリー温度を上昇されるには有効であることが明らかになり、磁歪量の向上に有益な情報を得た。Co置換したNi-Fe-Ga合金は、室温でも比較的大きい結晶磁気異方性を示し、Ni_49Fe_18Ga_27Co_6合金に応力を印加した状態に磁場を印加したところ、バリアントの再配列による急激な収縮が観測され、8.5%の磁歪量が得られた。そして、結晶磁気異方性と双晶界面の易動度の関係を明らかにし、双晶磁歪を得るための印加磁場と印加応力の条件を提示した。この研究成果を先進機能材料・先進構造材料の開発・評価・応用に関するコラボレーションシンポジウムで口頭発表した。Ni-Fe-Ga-Co合金の結晶磁気異方性の起源を調べるために結晶磁気異方性の圧力依存性を調査した。その結果、本合金ではスピン-軌道相互作用と双極子相互作用に起因する結晶磁気異方性が競合していることが明らかになり、本年度の目標であった結晶磁気異方性の起源を解明した。この研究成果は平成19年9月の金属学会秋期大会で発表した。また、Ni-Fe-Ga-Co合金にMnを添加したところ、室温における結晶磁気異方性が増加し、11.3%にも及ぶ磁歪量の向上につながった。この成果を平成19年12月に行われるSMST2007で口頭発表した。
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Research Products
(5 results)