2008 Fiscal Year Annual Research Report
成体脳に存在する神経幹細胞の分化制御メカニズムと神経新生の生理的意義の解明
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07J05360
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今吉 格 Kyoto University, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経幹細胞 / ニューロン新生 / Hes |
Research Abstract |
Notchシグナルの主要なエフェクター因子であるHesのコンディショナルノックアウトマウスを解析することで、マウス成体脳に存在する神経幹細胞において、Hesの果たす役割を明らかにした。また、Nestin-CreERT2 Tgマウスを用いて、新生ニューロンのGFPやLacZによる標識や、DTA-Aを用いた選択的除去を行なうことで、成体脳での神経新生の生理的意義の一端を解明した。嗅球においては、新生ニューロンは古いニューロンに置き換わる形で組み込まれているのに対して、海馬・歯状回においては古いニューロンは脱落せず、新生ニューロンは顆粒細胞の総数を増加させるように追加される形で組み込まれていることが明らかになった。また、ニューロン新生を阻害したマウスでは、バーンズ迷路を用いた空間学習テストにおいて、空間記憶は正常に形成されるものの、記憶の長期保持能が野生型マウスよりも著しく低かった。また、恐怖条件付けテストでは、状況記憶の低下が観察された。これらの実験結果から、海馬でのニューロン新生は、記憶や学習などの高次脳機能に積極的に関与しているものと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Roles of contimuos neurogenesis in the structural and functional integrity of the adult forebrain2008
Author(s)
Imayoshi, I., Sakamoto, M., Ohtsuka, T., Takao, K., Miyakawa, T., Yamaguchi, M., Mori, K., Ikeda, T., Itohara, S., Kageyama, R.
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Journal Title
Nature Neuroscience 11
Pages: 1153-1161
Peer Reviewed
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