2007 Fiscal Year Annual Research Report
成体脳に存在する神経幹細胞の分化制御メカニズムと神経新生の生理的意義の解明
Project/Area Number |
07J05360
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今吉 格 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 神経細胞 / Nestin / Hes1 |
Research Abstract |
マウス成体脳に存在する神経幹細胞特異的に、Cre recombinaseの活性を誘導する事が可能なTgマウス(Nestin-CreERT2マウス)を作成した。これにより成体脳神経幹細胞とその娘細胞であるニューロンを、geneticalに非常に効率よく標識する事が可能になった。このマウスを用いた解析から、嗅球の顆粒細胞層のほとんどのニューロンは、成体になってから誕生した新生ニューロンに置き換わっている事、また神経新生が嗅球の神経回路の維持に必須である事を示した。また、海馬・歯状回においては、持続的な神経新生は顆粒細胞の増加に必須である事を示した。また、bHLH型転写抑制因子Hes1のfloxedマウスを作成し、種々の組織でHesのconditional K.O.を行なった。マウス胎仔の終脳内側から発生してくる、カハール・レチウスニューロンと脈絡叢の分化制御にHes1/3/5が重要な役割を果たしている事を示した。
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