2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05364
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
湊 大志郎 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | アミノアルデヒド / キラルリガンド / 不斉酸化 / 速度論分割 / 不斉還元 / 光学活性アミノ酸 / アミノアセタール / エナンチオ選択性 |
Research Abstract |
本研究の目的とする処は、有用な光学活性アミノ化合物を不斉触媒的に合成できる新手法の開発である。従来キラル銅触媒を用いて、単純なピペリジンやピロリジンのような環状アミンを基質として求核剤不斉導入に成功していた。 同じキラル銅触媒存在下、ハロゲンメディエーターを用いる電極酸化法によってラセミ体のアミノアルコールやアミノアルデヒドを速度論分割できることも見出した。この方法により、有用な光学活性アミノ酸エステルが簡便に高効率、高エナンチオ選択的に得られるようになった。また同様の反応をハロゲンカチオンを用いる化学酸化によって行うと、光学活性アミノ酸エステルに加え、同時に反対の絶対配置を有する光学活性アミノアセタールも高エナンチオ選択的に得られることもわかった。光学活性アミノアセタールの合成はこれまで全く例がなかった。この反応は、様々な光学活性環状アミノ酸および鎖状のアミノ酸合成に適用できた。 このように酸化的に光学活性アミノ酸を得る方法はこれまで全く知られておらず、本研究の成果は新規性、進歩性の点で極めて優れている。今後、これら電気化学的手法と化学的手法を用いる非天然型アミノ酸エステル合成への応用や、光学活性アミノアセタールを利用した有用化合物合成を検討する。 さらに、光学活性ピロリジノンを出発原料とした電極酸化法によるジアステレオ選択的炭素間結合形成反応により光学活性β-ラクタム骨格を構築することができた。
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Research Products
(4 results)