2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウィリアムズ症候群児のコミュニケーション特性及び社会性に関する研究
Project/Area Number |
07J05368
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 晃佑 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウィリアムズ症候群 / コミュニケーション / 社会性 / 語用論 / 心の理論 / 文法能力 / 発達障害 |
Research Abstract |
本年度実施した主な内容は、1.ウィリアムズ症候群(WS)児のコミュニケーション能力に関する論文の投稿2.WS児のコミュニケーション能力・言語能力・他者理解能力に関する研究のデータ取得及び分析3.1.2.の研究を含む研究成果の学会発表であった。1.では、WS児が健常児よりも、相手に誤解された時にそれを修正して意思疎通を図ることが困難であるということを示唆する結果を論文にまとめ、国際学術雑誌に投稿し、現在審査中である。2.では、WS児が質問に対して適切に答えることが出来るか検討することをテーマとした研究(研究1)、WS児の文法理解能力の中で特に困難を示す領域があるかどうか検討することをテーマとした研究(研究2)、WS児は他者理解の発達に困難を抱えるかどうか検討することをテーマとした研究(研究3)のデータの取得及び分析を行った。3.では、上記研究1を日本心理学会にて発表し、研究2・3を日本発達心理学会にて発表した。加えて、今まで行ったWS児のコミュニケーション能力の研究について、the 12th International Professional Conference on Williams Syndrome及び日本発達心理学会にて発表した。その他では、研究・論文執筆・発表を通して、WS児のコミュニケーション特性についての理論の構築が進んだことが成果として挙げられる。研究の独自性の観点からは、WSに関する研究では、語彙や文法などの言語の構造的側面についての研究は多数あるが、相手と意思疎通を図るために必要である言語の語用論的側面についての研究が世界的に見てもあまり進んでおらず、かつ、WS患者はその能力に障害を持つことが想定されるが、そのようなWS患者の語用論に関する研究が実施でき、またそれをある程度まとめることが出来たことも成果として挙げられる。
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