2008 Fiscal Year Annual Research Report
音楽コミュニケーション系の総合支援を目指した高度音楽理解モジュール群の開発
Project/Area Number |
07J05373
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
江村 伯夫 Ryukoku University, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 音楽情報処理 / 自動作曲 / 練習支援 / 演奏解析 / ポピュラー和声理論 / 和声付与 / ヴォイシング / 熟達度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,熟練した演奏技術や高度な音楽的専門知識を持ち合わせていない音楽初心者の音楽活動を,作編曲と楽器演奏の2つの側面において支援する"総合的音楽活動支援システム"を構築することにある.本年度は,旋律の自動生成および和声付与,および楽器演奏の練習を支援する計算機システムを開発した.以下にそれぞれの詳細について述べる. 作編曲支援システムに関する研究では,ポピュラー音楽を対象とし,その音楽的構造の基盤となっているポピュラー和声理論に記載されている作編曲のためのルールを細部にわたって計算機に実装することにより,音楽理論の観点から楽曲を分析・生成することが可能な作編曲支援システムを開発した.具体的には,ユーザが指定した音楽ジャンルやテンポなどを加味した旋律を自動的に生成する"旋律生成システム"の他,与えられた旋律データに対してジャズ風の洒落た和音を付与する"ジャズ風和音列生成システム"を開発した. 楽器演奏練習支援システムに関する研究では,ピアノ,およびギターにおける基礎演奏を対象とし,奏者の演奏情報から,演奏上の弱点を推定することによって,熟達度や効率的な練習方法を提示する"楽器演奏練習支援システム"を開発した.具体的には,ピアノの打鍵におけるオンセット間間隔のバラツキから奏者の弱点となる指を推定し,それを効率よく矯正するためのHANON風練習課題を動的に生成する"ピアノの練習課題生成システム"や,ギター演奏時の奏者の手指にかかる負荷を定量的に分析し,それらが最も小さくなる押弦位置列を計算論的に導出することによって,奏者にとって最も負荷の少ない,すなわち弾きやすい押弦位置列を提供する"ギター演奏練習支援システム"を開発した.
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Research Products
(1 results)