2007 Fiscal Year Annual Research Report
記憶表象間の干渉解決メカニズム:サル大脳不活化領域の高解像MRI同定法による研究
Project/Area Number |
07J05386
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神垣 司 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マカクサル / 単一細胞外計測 / 認知セット切替え / 高磁場(4.7T)MRI / MR造影能ムシモル |
Research Abstract |
私は、大学院修士課程より同研究室で取り組んできた研究、すなわち2頭のマカクサルに認知セット切替え課題を遂行させ、部頭頂皮質内の単一神経細胞の活動を計測する、という研究において、特定の認知セットを切替える際に特異的に活動する神経細胞群を発見した。この結果の再現性を得るため、さらに2頭目のサルからのデータ数を増やした。また、発見した神経活動が、眼球運動・手の運動といった認知セット切替え以外の脳機能を反映していないことを確かめるための実験も追加して実施した。さらにはサルが切替えに失敗する際には当該神経活動が観察されないことから、発見した神経活動は、認知セットの切替え実行に強く関わっていることが示唆された。以上は、認知セット切替え実行に関連した神経活動を、単一神経細胞レベルで同定した初めての研究である。この結果については、2007年11月開催の国際学会にて口頭発表し、2008年3月開催の国内ワークショップにてポスター発表をおこなった。また、同内容は、2008年7月に開催予定の国内学会に演題登録済みであり、英文雑誌への投稿に向けて日下論文執筆中である。 一方、MRIで検出可能な神経抑制剤ムシモルの生成に取り組んでいる。このMR造影能ムシモルの合成に成功すれば、脳内に投与し、高磁場(4.7T)MRIを撮像することにより、全脳における神経活動抑制部位が高空間解像度で同時に特定することができる。MRで検出可能なガドリニウム錯体を共役させたムシモル化合物について、共役に使用する側鎖構造を代えて数種類設計・合成し、薬理活性実験をin vivo、in vitroでおこなった。しかし、いずれの合成体にも薬理活性は認められなかった。現在、これらの結果をもとに、新たに構造をデザイン・合成し、薬理活性実験の準備をしている段階である。
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Research Products
(2 results)