2008 Fiscal Year Annual Research Report
記憶表象間の干渉解決メカニズム:サル大脳不活化領域の高解像MRI同定法による研究
Project/Area Number |
07J05386
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神垣 司 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 認知的柔軟性 / 認知セット切替え / 単一細胞外計測 / マカクサル / 神経活動不活化 / ムシモル / 干渉解決 |
Research Abstract |
干渉解決機能の一種である「認知セット切替え」を要求する課題を2頭のマカクサルに遂行させ、そのときの単一神経細胞の活動を計測した結果、特定の認知セットを切替える際に特異的に活動する神経細胞群を後部頭頂皮質内に発見した。この神経活動は、切替えを行動に移すおよそ4秒前に出現し、実際にサルが切替えに成功するかどうかを予想することまで可能であった。以上は、認知セット切替え実行に関連した神経活動を、細胞レベルで同定した初めての研究である。本研究内容は2009年3月刊行の米国学術雑誌Neuronに掲載された(Neuron61,941-951 2009)。同内容は、2008年9月開催の国内シンポジウムにてポスター発表、同年7月開催の国内学会にて口頭発表をおこない、同年刊行の学会誌に掲載された(Neuroscience Research 61S,S65,2008)。 一方、干渉解決機能に関わる前頭前野メカニズムを検討する研究を開始した。干渉解決機能の一種、認知セット切替えを検査する課題として、臨床でよく用いられる「ウィスコンシンカード分類課題」をサル用に開発し、用いることとした。すでにサル2頭に当課題を訓練し、前頭前野から単一細胞外活動を計測した。結果、認知セット切替え時に特異的に活動する神経細胞群が、前頭前野内において数mm^3オーダーの小領域に局在することを見出した。さらにこの限局領域が干渉解決機能に直接の因果関係をもつかどうかを調べるため、ムシモル投与による局所領域不活化が行動成績への影響を与えるかを検討する実験に着手した。予備実験のために1頭のサルを用い、実験設備のセットアップをおこなった。また本番実験のために別個体のサル1頭を用いるが、この個体に関しては、すでに課題の訓練を終了した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
Tetsuya Fukushima
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Journal Title
New Encyclopedia of Neuroscience(Elsevier)
Pages: 10500(750-758)
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