2007 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-1 Vprにより誘導される二重鎖切断の分子機構
Project/Area Number |
07J05393
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
立和名 博昭 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / ヒストンバリアント / シャペロン |
Research Abstract |
真核生物のDNAは、ヒストンタンパク質(H2A, H2B, H3, H4)に結合し、折りたたまれたクロマチン構造を形成し、核内に収容されている。ヒトにおいて、ヒストンタンパク質には数アミノ酸が異なるバリアントが存在し、どのヒストンバリアントがクロマチン内に取り込まれているかによって、そのヒストンバリアントが取り込まれた周辺のクロマチンの性質が異なることが報告されている。また、クロマチン形成には、ヒストンシャペロンと呼ばれる、酸性タンパク質一群が関与していることが知られている。本研究では、ヒトヒストンH3バリアントに着目して実験を行った。ヒトヒストンH3バリアントは、複製依存的にクロマチンに取り込まれるH3.1, H3.2、複製非依存的にクロマチンに取り込まれるH3.3、精巣において高発現が確認されているH3t、セントロメア特異的に局在するCENP-Aがある。これら全てのヒトヒストンH3バリアント、他のヒストン(H2A, H2B, H4)およびヒストンシャペロンをリコンビナントタンパク質として発現・精製し、試験管内において、ヒストンバリアントとヒストンシャペロンの生化学的解析を行った。その結果、ヒトヒストンH3バリントH3tを含むヌクレオソームは、ヒストンシャペロンであるNap2依存的に形成されることが分かり、一方、Nap2と相同なタンパク質であるNap1においては、形成の促進は確認されなかった。本研究により、ヒストンシャペロンとヒストンバリアントの特異性が存在することが分かり、クロマチン形成において、ヒストンバリアントとヒストンシャペロンの使い分けが行われている可能性が示された。
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Research Products
(3 results)