2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05423
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 さち子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 磁気刺激 / イマチニブ / パルス磁場 |
Research Abstract |
本研究では、磁気刺激の新規生体効果を明らかにし、1)機序を解明し、2)磁気刺激の新たな医療応用法を検討した。これまでに、外部刺激との併用により薬剤効果を増強させる試みとして、微弱な直流、交流磁場、光、熱といった物理的刺激と抗癌剤の併用が報告されていることから、新規生体効果の検討として、磁気刺激による抗腫瘍効果と治療薬低減化作用を検討した。 メシル酸イマチニブ(Imatinib Mesylate:IM)は1996年に選択的ABLチロシンキナ-ゼとして開発された経口摂取可能な抗癌剤であり慢性骨髄性白血病(Chronic MyelogeneousLeukemia:CML)の第一選択薬剤であるが、IMの減量と耐性の克服が臨床的最重要課題とされている。そこで本年は、磁気刺激とメシル酸イマチニブ(lmatinib Mesylate:IM)の併用効果による、1)IMの減量と2)IM耐性克服を目標とした基礎実験を行った、BCR/ABLの315番目アミノ酸変異のために、非常に強いIM耐性を示すTCC-Y/T3151(TCC-Y/sr)細胞を用い、先行研究に基づき0.25T,25pulses/sec,1000pulses/dayの磁気刺激を6-72時間印加した。その結果、磁気刺激とIM20μM,40μMとの併用により細胞死が増加し、その際にはミトコンドリア膜電位変化、Cytochromecの細胞内放出、およびCaspase-9活性化がが生じている事が示された、本研究では、IM 耐性CMLにおいてIMと磁気刺激を併用する事により、効率的な細胞死誘導が観察された。これらの結果はMのようにターゲット特性の高い薬剤においては、磁気刺激と併用する事により副作用を最小限に抑えつつ薬効を上昇させる事が可能であると考えられ、磁気刺激の新規応用として期待できるものである。
|
Research Products
(3 results)