2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05423
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 さち子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 磁気刺激 / パルス磁場 / 慢性骨髄性白血病 |
Research Abstract |
第1年目は,磁気刺激による抗腫瘍効果と治療薬低減化作用の検討を行った.慢性骨髄性白血病だけでなく,急性骨髄性白血病における効果も検討することで,白血病治療薬低減化を検討した.同時に,最適な条件の探索と効果に影響を与える刺激因子を検討した. 2年目に当たる本年は,前年度に引き続き,磁気刺激による抗腫瘍効果と治療薬低減化作用の検討を行った.BCR/ABLは慢性骨髄性白血病細胞で観察される,染色体転移に伴い生じた融合遺伝子であり,強いTyrosine Kinase活性を持つためにBCR/ABL陽性細胞では細胞増殖能の亢進や,アポトーシス耐性などの病態を示す.メシル酸イマチニブ(IM)は軽微な有害事象を伴うのみで劇的な臨床効果を現すため,BCR/ABL陽性細胞の第一選択剤として広く臨床応用されているが,近年IM耐性細胞の出現が問題化されている.本年は,IM耐性BCR/ABL陽性細胞(pre-pre B cell ALL由来)であるTCC-Y/sr細胞を用いて,磁気刺激とIMの併用効果を検討した.その結果,磁気刺激はIMと併用することで,IM耐性BCR/ABL陽性細胞株であるTCC-Y/sr細胞の薬効を上昇させ,十分な細胞死を誘導した.これらの結果はIMの抱える臨床的課題である(1)IMの低減化と(2)IM耐性について,IMと磁気刺激の併用により効果が期待できるものであると考えられる. 更に,臨床応用の準備段階として,ヒト3次元モデルを用いて刺激時における体内での詳細な磁場・電流密度分布を解析した.人骨盤部分をモデル化し,骨盤付近で磁気刺激を行った際に生じる磁場・電流密度分布を解析する事で,骨内部への磁気刺激の可能性について検討された.
|
Research Products
(9 results)