2007 Fiscal Year Annual Research Report
四次元ファイバー空間の局所符号数に関連する写像類群の代数的構造の解明
Project/Area Number |
07J05472
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久野 雄介 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 写像類群 / 符号数の局月化 / Meyer函数 / ねじれ1コサイクル |
Research Abstract |
四次元ファイバー空間の符号数の局所化について曲面の写像類群、特にMeyer函数の立場から研究している。今年度初めは、種数3非超楕円的なコンパクトリーマン面の退化族に対するMeyer函数の存在と一意性に関する結果が得られていた。証明は組み合わせ的なものであったが、今年度はこのことの幾何的で具体的な計算を用いない別証明を見出だした。証明の方法が非特異平面曲線の退化族に対しても適用できることが分かったので、「平面曲線の写像類群」を定義し、この上にMeyer函数が一意的に存在することを示した。また、種数3非超楕円的な場合に局所符合数の位相幾何的な定義を与えた。いくつかの具体例に対して局所符号数を計算し、これまで知られていた、異なる方法で定義された局所符合数の値と一致することを確認した。以上の結果を論文「The mapping class group and the Meyer function for plane curves」にまとめ、いくつかの研究集会において研究発表した。上記の新証明の考え方は汎用性があると思われる。高種数の場合も含めて、より広い枠組みでMeyer函数の理論を構築できないか、現在模索中である。今年度の後半には1978年にC.Earleによって定義された、点付き写像類群の上の曲面の1次元ホモロジー群に係数を持つねじれ1コサイクルについて研究を行い、特にEarleのコサイクルの組み合わせ的な公式1を得た。写像類群の代数的構造の解明の観点からは、複素解析的な由来を持つコサイクルの具体的表示1が得られたことは、意義があると思われる。以上は論文「A combinatorial formula for Earle's twisted:cocycle on the mapping class group Mg,*」にまとめた。
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Research Products
(9 results)