2009 Fiscal Year Annual Research Report
四次元ファイバー空間の局所符号数に関連する写像類群の代数的構造の解明
Project/Area Number |
07J05472
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久野 雄介 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 写像類群 / 四次元多様体 / 局所符号数 / Meyer函数 |
Research Abstract |
四次元多様体が、いくつかの特異ファイバーを許した曲面上の曲面束の全空間として与えられているとき、その符号数が特異ファイバーに局所化するという現象が知られている。この現象に対する位相幾何学的なアプローチの一つとして、曲面の写像類群のあるコサイクルに付随する、Meyer函数と呼ばれる二次不変量を用いたものがある。 本年度は、一般の非特異射影多様体に対するMeyer函数の理論について、昨年度から引き続いて考察を行った。この枠組みでは、ある擬射影多様体の基本群の上の有理値函数として、Meyer函数が一意的に存在することが証明される。出発点の射影多様体を適切にとることで、低種数の、一般の非超楕円的な代数曲線の退化に対しMeyer函数を用いて局所符号数が定義される。その定義式は特異ファイバーの周りの位相的なモノドロミーを、ある分類空間に持ち上げたものを含んでおり、位相的には自明であるが、非自明な局所符号数を持つようなファイバー芽が存在する現象を明快に説明することができる。 また、このMeyer函数を用いて、ある緩い条件のもと、非特異射影多様体の高次双対多様体の補空間の基本群として与えられる様な群が、非自明な二次元の有界コホモロジーを持ち、従って非従順な群であることを示した。 以上の研究内容を、第56回トポロジーシンポジウムなどの研究集会に於いて発表し、論文「The Meyer functions for projective varieties and their applications to local signatures for fibered 4-manifolds」に纏めた。論文は現在投稿中である。
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Research Products
(4 results)