2007 Fiscal Year Annual Research Report
先端技術企業における会計システムの進化に関する研究
Project/Area Number |
07J05475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 拓史 Kyoto University, 経営管理研究部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 会計変化 / 進化 / 京都企業 / 管理会計システム |
Research Abstract |
平成19年度は、予定された研究期間の初年度として、主にフィールドワークによるデータ収集を行った。聞き取り調査を中心として、京都などに本拠地を置く複数の先端技術企業についての調査に相対的に多くの研究資源を投入した。上述の調査に関する体系的な成果の公表は平成21年度を予定しているが、その成果の一部は本年度の学会において公表した。そこでは、村田製作所における管理会計システムの進化過程を明らかにするとともに、かかる進化が単純な事前合理的意思決定に基づくものだけでなく、経路依存的で創発的なものであることを示した。また、このような視点が、従来の伝統的な歴史研究にもたらす貢献について検討した。今後、順次、学術誌等においても公表予定である。 また、並行して、欧米における管理会計変化論及び組織変化論の先行研究のレビューを継続して行っている。そこで析出された課題は、組織的現象の中での管理会計の特殊性に基づいて、会計システムの変化を捉える理論的枠組みの不十分性である。いくつかの先行研究の枠組みを拡張する形で、この問題を解決することを次年度以降の課題としている。 以上のような成果を踏まえて、次年度は主として収集したデータを理論的に考察するための枠組みに関する研究に注力する予定である。
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