2008 Fiscal Year Annual Research Report
柔な構造の生成法及びその非線形力学的特性に関する研究
Project/Area Number |
07J05548
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 拓也 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 構造最適化 / 建築形態創生 / 柔な構造 / 位相最適化 / 分岐現象 / スナップスルー |
Research Abstract |
本年度は,研究課題である「柔な構造の生成法及びその非線形力学的特性に関する研究」について, (a)コンプライアントメカニズムの生成法の開発 (b)柔な構造の建築構造への利用に重点を置いて研究を行った。 (a)については,部材の弾性変形性能を利用したコンプライアントメカニズムのような柔な構造が,大変形を伴うことで非線形な荷重変形関係(釣合い経路)を呈することに着目し,指定した釣合い経路を有するような構造物を設計する手法を提案した。グランドストラクチャ法に基づくトラス構造のトポロジー最適化問題として,全部材体積最小化問題と指定経路への誤差総和最小化問題の2種類を定式化し,それを解くことで指定定釣合い経路を有する構造を生成できることを示した。 (b)については,上記の指定釣合い経路を有するような構造系を免震構造の支承として利用することを考え,新しい免震システムとして提案した。柔な構造による免震システムは設置方向に依存しないため,現状の免震構造の課題となっている上下方向の地震動に対する免震に効果が期待できる。柔な構造による免震デバイスを大スパンアーチ構造と連成させ,複数の記録地震波に対する地震応答解析によって,免震効果が得られることを確かめた。 また(b)について,トラスを用いたコンプライアントメカニズムのデバイスを建築物の制振構造に適用することを検討した。メカニズムのデバイスを速度依存型の粘性制振ダンパーに付加することで,ダンパーに入力される速度を増大させ,より大きな制振効果を得ることができた。
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Research Products
(5 results)