2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05563
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡田 賢祐 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 生態学 / 進化 |
Research Abstract |
オスが発達した大顎を持つオオツノコクヌストモドキとヨツボシケシキスイを闘争と武器形質のモデル甲虫として、以下の研究を展開した。角などの武器を持つ大型雄は闘争戦術によって、武器を持たない小型雄はスニーク(他雄と戦わないで、雌を盗み交尾)するなどの非闘争戦術を採用することでメスを獲得する。ヨツボシケイシキスイの雄の交尾戦術を形態解析、室内行動観察及び標識再捕法による分散距離の測定を用いて、調査した。本種の雄の戦術は資源の分配と変曲点による雄の交尾戦術の採用の視点から以下に説明される。大型雄は武器と闘争能力に投資を行うため、大顎と後翅のトレードオフによって分散能力が抑制される。また小型雄は後翅と分散能力に投資を行うが、あまりにも小さな雄は分散能力が無いため、スニークを行う。そのため、本種は雄内二型が維持されているにもかかわらず、スニーク、分散、闘争の顧でメスを獲得する。またオオツノコクヌストモドキを用いて、武器形質の進化に伴う他の形質の進化を明らかにするために、選択に対する相関反応を調べた。武器形質の長い選択系統(L)、短い選択系統(S)および無選択のコントロール系統の間で、闘争行動における攻撃性は、L系統が他の系統よりも高く、正の遺伝相関があり、触角や複眼では、S系統がLよりも大きく、遺伝的なトレードオフの関係があることがわかった。さらに、この甲虫は、4日間敗北経験を覚えており、その間逃げ回るという、非常に面白い行動を発見することができた。これら結果は、国内外の学会等で高い評価を受け、一部は専門の国際誌に掲載されている。
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Research Products
(6 results)